前回に「変化に最もよく適応・対応した住まい」とは何かと触れましたが、その続きです。
今日は、沖縄・九州に非常に強い台風10号が接近している状況です。九州において、このような台風に対応出来る住まいを考えてみると、木造住宅では厳しいのではないかと考えます。風速30m以上に安心して・被害のない耐えられる木造住宅は少ないと思います。沖縄では、鉄筋コンクリートの住宅が多いのも、そのためです。(もちろん高温多湿のため、木造では腐食・白蟻等の問題があるためもあります)そして、高潮・河川の氾濫による住宅への浸水被害も想定されます。もっとひどい場合は、河川の氾濫により地盤の流出、豪雨による土砂崩落の可能性もあります。このような被害が、100年に一度であれば良いのですが最近は毎年のようにやってきています。
このように考えていると、木造住宅・鉄筋コンクリート住宅とかの問題ではなく、立地条件も非常に重要であると思います。住宅設備も浸水では、使い物にならなくなってしまいます。こうなると、住まいを所有するのは非常にリスクがあると思ってしまいます。最初に述べた「変化に最もよく適応・対応した住まい」は、幻想なのかもしれません。
「変化に最もよく適応・対応した住まい」を求めるのではなく、「今の生活スタイルにフィットした住まいに移り住む」のが良いのではないでしょうか?
台風の被害を考えるだけでも住まいを所有するのはリスクが大きいと感じますし、ついこないだまで東京に住むのがステイタスのように感じていましたが、新型コロナウイルス禍により高密度都市に生活するリスクが目立つようになりました。そして、海外からの投資が急激に減った事により資産としての住まいが、最悪の場合、負債になってしまいます。
「今の生活スタイルにフィットした住まいに移り住む」を選択した場合、どんな問題があるのでしょうか?私が思うに、あまり問題が無いように思います。地域に根ざした生活をしている場合、同じ地域に移り住めばいいのです。転職・転勤した場合、住まいを所有していると負担になる事が多いですが、所有していなければ身軽に移れます。
高齢者にとって移り住むのは精神的に大変だという声が聞こえそうですが、高齢者が一人で生活するのは非常にリスクが高いです。それよりも同じ地域に、介護ケアのある集合住宅に住まいを移す事をあらかじめ準備している方が現実的と考えます。
いろいろな考え方があると思いますが、将来に対して「変化に最もよく適応・対応した住まい」を求めるのがベストと考えるだけでなく、「今の生活スタイルにフィットした住まいに移り住む」方法もあると考えられたら気が楽になると思います。50年・100年前の人が、現代人と同じ価値観・思想をもっていたとは思えませんし、これからも激動の時代を乗り越える為には、一つの考え方に拘っていたら乗り切れないと思います。もっと自由になって”ワクワクする暮らし”を目指しましょう。