生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.

引用元:不明

上記の名言は、一般的にチャールズ・ダーウィンが発言したと思われています。しかし、どうもダーウィンの言葉では無いようです。以前、平成13年の国会において小泉純一郎総理大臣が引用したことで有名ですが、この名言は、ダーウィンの文書・文献では載っていないそうです。
ただこの言葉は変化の激しい社会を生き残るためにどうすればいいのかと考えた時に、よく登場します。これを住まいに当てはめてみるとどうでしょうか?

『未来でも快適な住まいは、最も丈夫な住まいではない。最もハイテクな住まいでもない。それは、変化に最もよく適応(対応)した住まいである。』とでもなるのでしょうか?
未来でも快適な住まいを求める中で、「最も丈夫な住まい」を求める人はいるでしょうか?最近の豪雨・大地震を考えると住まいが丈夫な事は大切な事ですが、地盤が動いたり、流れたりしたりしたらどうにもなりません。
それでは、「最もハイテクな住まい」なのでしょうか?現代のように猛暑・豪雨・大地震が頻繁に起こる時には、意外にハイテクは脆いものです。また、時間が経つにつれて陳腐化するのも早いです。最後に「変化に最もよく適応(対応)した住まい」は、いったいどのような住まいなのでしょうか?このように提案した私自身、適応・対応した住まいが想像できません。今から100年前、10年前の人が未来の生活を考えた時に、現代の生活様式を全く想像できなかったと思います。私の実家の母屋は以前にも書きましたが築120年程でありますが、土間があるため高齢の親にとっては上がり下がりに一苦労していますし、暑い時にために通風を重視しているため冬は寒いです。全てが畳間なので椅子を使うと畳が傷んでしまいます。建具にしても、身長173cmの私には丁度いいですが、子どもたちは180cm以上あるので、頭が当たってしまいます。

「変化に最もよく適応・対応した住まい」とは、50年間隔で建て直す住まいなのかもしれません。よく住宅会社の宣伝で『100年は大丈夫な住宅』と言われていますが、構造的には長期間耐えられる住まいでも、社会的・機能的に長期間耐えられるのは無理があります。無理して長期間の耐久性のある住まいより、50年程の耐久性があり容易に、そして材料がリサイクルできる住まいが一番のような気がします。

次回、「変化に最もよく適応・対応した住まい」を、もう少し考えていきたいと思います。

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